私の工夫
ヒラメ筋訓練器の一試案
藤井 典之
1
1大阪労災病院理学診療科
pp.66
発行日 1967年5月9日
Published Date 1967/5/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100033
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- 文献概要
骨折・脱臼等整形外科的疾患をはじめ,脳卒中・ポリオ・CP・脊髄炎等の後遺症として足関節背屈および底屈筋群の機能不全を伴う場合はきわめて多く,またこれらは起立・歩行の因をなすものであり,理学療法の対象として重要な一分野であろう。われわれもこの点に対処して,従来諸種の方法を考慮し施行してきたが,難解な面が多く苦慮してきた。ことに脊髄炎後遺症等の際は,腓腹筋機能の回復に比してヒラメ筋は遅く,そのため起立・歩行にさいしても特異な様相を示す。すなわち,膝伸展位では腓腹筋が働くので下肢の支持性はよいが,膝屈位になるとほとんどヒラメ筋の作用のみになるので,足が折れて(足背屈位となる)バランスが崩れ,下肢の支持性は不良となる。それを防ぐ意味で膝は過伸展位をとるようになり,膝反張の原因にもなる。
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