目でみる耳鼻咽喉科
耳垢腺腺腫(Ceruminoma)
王 主栄
1
,
馬場 廣太郎
1
,
五月女 茂
2
1獨協医科大学耳鼻咽喉科学教室
2獨協医科大学第二病理科学教室
pp.990-991
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210427
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外耳道から発生する腫瘍のなかに耳垢腺腺腫があるが,これは極めてまれで,組織発生学的に外耳道のApocrine腺に由来する。腫瘍発生部位は耳垢腺組織の正常分布に一致し,軟骨部外耳道に好発する。組織的にはアポクリン汗腺によく似ており,嚢胞状,腺管状,乳頭状などの腺組織の増生が認められ,二層性上皮が特徴である。内側の腺上皮細胞には多量の好酸性細胞質が含まれており,アポクリン分泌を示し,その外側にmyoepithelial上皮が存在している。好発年齢は40歳〜60歳台で,性差はない。
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