鏡下咡語
耳垢方言について
法水 正文
1
1日産玉川病院
pp.872-873
発行日 1984年10月20日
Published Date 1984/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209860
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一口に方言といっても内容はいろいろある。方言学では方言を「言葉の体系」と考える。そのうちではアクセント,音韻,文法などの地域差も研究対象になるが,最も普通なのは語彙の地理的分布を調べ,その分布が成立した過程とその要因を究明する学問分野で,これを言語地理学LINGUISTIC GEOGRAPHYといっている。方言学では現在言語地理学が最も隆盛であり,各地で精密な地域言語地図の調査作成が行われている。日本で最初の本格的な言語地理学的調査が行われたのは新潟県糸魚川地方(1969)であり,糸魚川市を中心として川下から川上へと一方通行の伝播方向を基本とし上流は行き止りで別の方向からの語の侵入は考えられないという地域である。このような形は最も理想的な地といわれている。
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