今月の臨床 習慣流産をとめる
Overview
疫学と現況
山田 秀人
1
,
平山 恵美
1
,
藤本 征一郎
1
1北海道大学医学部産婦人科
pp.628-632
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902527
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習慣流産は日常の産婦人科臨床上,全体の患者数に占める割合は決して高いとは言えない.しかし,その病因は例えば染色体異常,内分泌異常,子宮奇形,自己免疫疾患などに代表されるように複雑かつ多様であるという臨床上の問題点が存在する.また,習慣流産症例で観察された病態が必ずしも習慣流産の原因とは確定できないし,観察された検査値異常が必ずしも習慣流産の原因と関連しているという保証はないという別の問題点が存在する.つまり,習慣流産症例で観察された病態や異常は,偶然,または単に流産を繰り返した結果である可能性もあり,習慣流産における原因との関連性の強さは,観察された個々の病態や異常によって異なることを認識しなければならない.本稿では,習慣流産の定義と疫学について述べるとともに,1992年5月から1995年6月の間に北大産婦人科不育症外来で管理を行った不育症症例の原因と観察された検査値異常をまとめ,習慣流産の原因と結果の関係(因果関係)について考察する.
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