目でみる耳鼻咽喉科
花粉症原因植物と花粉—(III)夏から秋
佐橋 紀男
1
,
幾瀬 マサ
1
1東邦大学薬学部生薬学教室
pp.680-683
発行日 1985年9月20日
Published Date 1985/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210008
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北米で最も早くから注目され日本のスギ花粉症以上に恐れられているのがブタクサ(Ragweed)化粉症である。日本にも早くから帰化し10年ぐらい前に関東南部で花粉症患者が大発生したために,空地の雑草刈取条令が保健所などから出されたほどである。現在は大変少なくなったが,河川の土手などにはクワモドキと呼ばれる大型のブタクサの近縁種が時々大群落で発見されるので今後も注目する必要がある。またイネ科の種類も多く初夏の牧草類ほどではないが大群落をつくるススキなどは注意すべきであろう。今回はキク科の注目すべき花粉症原因植物として,ブタクサ,クワモドキ,ヨモギ,セイタカアキノキリンソウの4種,イネ科のアキノエノコログサ,ススキの2種,それにクワ科のカナムグラ,ケシ科のタケニグサ,アカザ科のシロザの3種を加え計9種を紹介する。
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