鏡下咡語
「耳鼻咽喉科」創刊号によせて
古内 一郎
1
1獨協医科大学耳鼻咽喉科
pp.80-81
発行日 1985年1月20日
Published Date 1985/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209908
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「耳鼻咽喉科」誌の創刊号は昭和3年1月1日(1928年)に発刊された(図1)。発行所は福岡市大名町105,月刊耳鼻咽喉科雑誌社,主幹は久保猪之吉先生で編輯兼発行者は立木豊先生名義になっている。なお印刷所は東京(杏林舎)で定価は70銭也とある。
本号は149頁よりなり,内容は表1のごとく,論説,瑣談,史料,講義,綜説などの大項目と,通信,抄録,紹介,漫談,人事などの小目次から成っており,ボリウムのある月刊誌という印象を受ける。文章はすべて縦書であり随所に難しい漢字が使われ,また候文(そうろうぶん)の名残りも感じられる(後で発表された久保先生の洋行に関する謹告は候文であった)。仮名遣のほうは片仮名が多く使用され,欧文抄録および索引はドイツ語であった。それに著者は所属,職名のほかに学位を明記しており,なんとなく論文に威厳を感ずる。
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