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創刊の言葉
pp.1
発行日 1956年1月15日
Published Date 1956/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901479
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紳経学乃至神経病学は欧米諸国に於ては既に古くより広範な分野より研究されて来た。我国に於ては従来比較的限られた分野で取上げられて来たが,最近急激に各分野より注目されるに至り,精神々経学会の会員の増加や,最近発足した脳神経外科学会が急速に発展したこと,又雑誌「脳と神経」の購読者が急速に増加した由を聞くにつけこの感を深くするのである。基礎医学に於ては,解剖,病理,生理を中心とし,又臨床医学に於ては,内科,外科,神経科を中心として,我国に於ても先進国にならつて更に研究のホコ先が神経学に向けられて行くのではないかと思う。
この期に於て,新しく雑誌「神経研究の進歩」が創刊されることは,この分野に関心を持つておられる関係医家の必要に応じたものと期待して頂きたい。第1号の特集記事は「神経系疾患の診断法,臨床応用とその限界」であるが,脳波,筋電図又レントゲン診断其他に於て各種の方法が取入れられ,広く応用されつつある現状でありながら,之等の診断価値の限界が明かにされておらず,臨床家を困惑させることが少くない現在,眞に時宜を得たテーマだと信する。今後共,特集記事を中心にして,同様に重要な問題を取上げて行きたいと思う。又,広く読者の希望する特集テーマを選んで行くという方法も考えられる。
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