特別企画 非ホジキンリンパ腫の分類と治療
II.非ホジキンリンパ腫の治療
北原 光夫
1,2
Mitsuo Kitahara
1,2
1東京都済生会中央病院・内科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.1358-1366
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217864
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1.非ホジキン病の病期1)
非ホジキン病の病期分類はホジキン病と同様の方法で,Ann arbor staging classification(表1)をもとにして分けられているが,ホジキン病に比して利用率が高くない.つまり,①予後の判定に有用でないこと,また②非ホジキン病ではリンパ節以外の部位がおかされることが多いこと,がその主な理由である.さらに,AとBに分けられ,Aは症状のないグループ,Bは,発熱,寝汗,体重減少(体重10%以上)のあるものとする.
臨床的病期分類は,まず注意深く現病歴をとり,身体所見をみること,血液検査,レントゲン検査を行わなければならない(表2)2).Preauricularnodeの病変が疑われるときには,Waldeyer's ringにもリンパ腫があることが多いので,咽頭から喉頭にかけて十分検査する必要がある.Epitrochlear nodeの腫大は非ホジキン病に特有で,ホジキン病にはほとんどみられない.また非ホジキン病ではリンパ節以外の病変が比較的多くみられ,骨や皮膚がよくおかされるので注意深く診察を行う.胸部X線像ではおよそ26%が陽性で,大部分が縦隔か肺門部の異常を呈する.胸水の性状が乳び液または濾出液であり,細胞診が陰性であればIV期にはならない.肺実質のみの病変は頻度が少ないので(2%以下),胸部断層撮影は胸部単純X線が正常であれば撮る必要はない.
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