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特集 頭頸部領域の温度外傷・化学的腐食の取り扱い
5.耳
5.Ear
西﨑 和則
1
Kazunori Nishizaki
1
1岡山大学大学院医歯薬総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.49-53
発行日 2007年1月20日
Published Date 2007/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100814
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Ⅰ.はじめに
耳の温度外傷・化学的腐食はほとんどが外耳に生じる。外耳の中でも,耳介は体表から突出しているため顔面受傷を外鼻と並んで受けやすい。一方,外耳道は耳介によって防御され,原因となる液体が内部に到達しにくい特異な構造であるため受傷しにくい。外耳道の奥にある鼓膜,中耳にまで受傷が及ぶことは稀である。
耳介の温度外傷・化学的腐食は,事故や自傷および他傷によって起こるが,外耳道より内側では医原性が多い1)。溶接の火花が経鼓膜的に中耳まで達することがある。
治療は,耳介受傷では広範な顔面受傷の一部として起こることが多いため救急部で全身的な治療の一環として行われ,その後に耳介変形のため耳鼻咽喉科や形成外科に紹介される(図1)。外耳道や中耳に受傷が限局する場合には最初から耳鼻咽喉科が治療に関与することになる。
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