特集 耳鼻咽喉・頭頸部領域の痛み—その機序と臨床
III.非癌性疼痛
炎症性疼痛の臨床特性と治療
耳の痛み
坂井 真
1
1東海大学医学部付属東京病院耳鼻咽喉科
pp.921-924
発行日 1989年10月20日
Published Date 1989/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200438
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はじめに
「耳の痛み」を訴えている患者を診察する時には,まず耳痛の原因となっている病変が耳そのものにあるのか,耳以外の部位にあるのかを区別しなければならない。患者が「耳が痛い」と訴えるときには,いろいろな部位に起きる疼痛を意味しているが,時には耳痛の部位が何処なのか分からないことや,どうしても耳痛の原因が分からないままに治癒してしまうこともある。たとえば,耳介,外耳,中耳の疼痛以外にも,顎関節,耳下腺,顎下部,耳後部,上側頸部の疼痛を「耳の痛み」として訴えることが多い。
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