特集 耳鼻咽喉科CT診断
CT読影の実際
気管・食道疾患
小林 武夫
1
Takeo Kobayashi
1
1中央鉄道病院耳鼻咽喉科
pp.839-847
発行日 1982年10月20日
Published Date 1982/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209512
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I.はじめに
気管食道疾患に関しては,CTによる診断の有用性は大きくない。とくに耳鼻咽喉科医の対象となる頸部の気管と食道についてはそうである。その理由は,頸部が比較的小さく,外部から視診や触診を行うことが容易であり,また内視鏡検査で気管・食道を直接観察できるからである。その他,軟X線撮影,食道・気管造影,ゼログラフィー,超音波断層などのすぐれた検査方法も応用可能だからである。しかしながら,筆者は症例を選べばCTは頸部疾患においても有効な補助診断法となると考えている。この点に関し,1980年に本誌で報告1)を行ったが,本稿では気管食道(一部,胸郭内も含めて)を中心に,その後の経験を追加して記述する。
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