目でみる耳鼻咽喉科
白板症に対するPANA含有5Fuペーストの治療効果
厳 文雄
1
,
加藤 功
1
,
石橋 貞良
2,3
1山形大学医学部耳鼻咽喉科
2岩手医科大学生化学
3岩手県立中央薬剤科
pp.488-489
発行日 1982年7月20日
Published Date 1982/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209459
- 有料閲覧
- 文献概要
白板症は,舌・口腔粘膜に発生する灰白色または白色の角化性局面で,病理学的には基底細胞に異型性が見られるものをいう。白板症は経過が長く,時に癌性変化をおこすことがあるので恐れられている。白板症に対する治療としては,一般的には外科的に切除する方法が用いられてきた。今回我々は頬粘膜に白板症をきたし,いったん切除されたが,また発来してきた白板症にPANAを混合した5Fu軟膏を塗布し,著効を呈した症例を紹介する。
普通用いられている5Fu軟膏は口腔粘膜等に塗布する場合,吸湿性が悪く,従って患部への滞留性.展延性等の点で難点があり,著効をみることは難しい。この点を改良して,PANAを混合した5Fuペースト(石橋ら,1980)は,頬粘膜のような湿潤な部位でも吸水が極めてよく,局所への滞留性・展延性という点で優れている。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.