Urological Letter
腎盂白板症,他
pp.108
発行日 1968年2月20日
Published Date 1968/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200345
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この希なしかし興味のある疾患が再び我々の注意をかんきした。1人の婦人が,数年間くり返す右腎疝痛と血尿を主訴として入院した。彼女の症状は小さい尿石が出るためにおこるのだと説明された。腎盂レ線像では左腎は正常であつたが,右腎盂にはまだらの充盈欠損がみられた。尿中には角質化された扁平上皮細胞と血球が含まれていた。本疾患は1側だつたし,Leukoplakiaに関連した扁平上皮癌の発生頻度は高いので,腎剔出が行なわれた。この患者は現在健康に生活している。
両側の白板症には(1)ヴィタミンAの多い食餌,(2)腎盂洗浄や(3) ACTHの投与などがなされる。本症の原因は不明である。しかし大部分の著者は慢性感染症あるいは慢性炎症が最も普通の原因と考えている。術前に診断されることは希である。
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