特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
V.一般
細菌培養機器
磯部 淳一
1
,
下田 格
,
江口 幸子
Junichi Isobe
1
1徳島大学医学部附属病院検査部
pp.818-829
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209329
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I.はじめに
近年における臨床検査の動向の主流は,検査の簡易化,自動化である。臨床化学および臨床血液学の領域では,各種の原理にもとづく測定機器も大略出揃った感がある。他方,臨床細菌学の分野では,検体ならびに検査過程の特殊性が壁となって,この方面での立ち遅れはまぬがれない。しかし,この3〜4年の間に簡易キットあるいは自動測定機器が開発され,市販されるようになった。ここで一般細菌の検索手順をふりかえってみると,(1)分離用平板培地への検体接種と培養,(2)集落の観察,釣菌,増菌,ついで同定用培地ならびに感受性テスト用培地への接種と培養,(3)同定検査および感受性検査の判定,(4)必要に応じて血清学的同定検査あるいは同定のための追加検査用培地への接種と培養,その他ファージ型別等の検査の各段階がある。したがって,結果は早くて3日目にならなければ判明しない。上記の各段階のうち,同定法あるいは感受性テストについての簡易化,自動化が進められると,結果の報告が1日くらい短縮されるわけである。すなわち,細菌検査の簡易化,自動化は臨床各科へのサービスと検査室自体の省力化,能率化を目ざすことになる。
以下,入手しうる主要製品につき,使用経験もまじえながら,解説を試みたい。
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