マスターしよう基本操作
尿中細菌の定量培養
小栗 豊子
1
1順天堂大学付属病院中検
pp.159-166
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205416
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膀胱炎や腎盂腎炎の診断に尿の培養検査が行われるが,この際には平板培地を用いた分離培養と並行して定量培養が行われる.定量培養は尿1ml当たりの細菌数を表示するのであるが,この値は尿から検出された菌が感染症の原因菌か,それとも常在菌(尿道,腟内など)の混入なのかを判定する指標とされている.すなわち,尿中菌数が105/ml以上検出された場合は感染症の原因菌と見なし,一方,103/ml以下の場合は常在菌の混入であると見なされる.
尿中細菌数の測定法には種々の方法があるが,古くから用いられており,もっとも正確な方法とされているのは混釈平板を用いる方法である.最近では種々の簡易法が開発され普及している.ここでは無菌操作の修得に役立ち,他の面でも応用される混釈平板法の手技を述べ,次に簡易法としてもっとも普及しているディップスライド法,白金耳法などについて述べる.
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