Special feature 感染対策成功のための皮膚の清潔・健康管理
■非接触式環境浄化(消毒)法の種別と使用上の注意点
❸過酸化水素ドライミスト噴霧
谷津 亮祐
1
,
橋本 昌宜
1,2
,
梅澤 和夫
1,3
,
浅井 さとみ
5,4
1東海大学医学部付属病院医療監査部院内感染対策室
2東海大学医学部付属病院薬剤部薬剤科 係長
3東海大学医学部総合診療学系救命救急医学 准教授
4東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学 准教授
5東海大学医学部付属病院医療監査部院内感染対策室 室長
pp.61-64
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000370
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アルコールや次亜塩素酸ナトリウム等を用いた用手的清掃・消毒では,手が届かないような細部の拭き残しや拭き忘れ等のヒューマンエラーが生じることがある。病室内全体を隈なく消毒できる過酸化水素ドライミスト噴霧による消毒は,狭い隙間等の細部にまで有効成分が行き渡るため,このようなヒューマンエラーを回避する方法の一つとして挙げられる。東海大学医学部付属病院(以下,当院)では薬剤耐性アシネトバクターが環境表面に残留することによるアウトブレイクを経験した。過酸化水素ドライミスト噴霧の導入以来,環境表面を由来とするアウトブレイクは起きていない。過酸化水素ドライミスト噴霧による消毒法は,操作が簡便で医療スタッフの業務に大きな負担を与えない点でも現場に受け入れられやすい。その一方で,有効かつ安全に使用するためには注意点を十分理解する必要がある。本稿では過酸化水素ドライミスト噴霧実施における使用上の注意点を述べる。
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