特集 耳鼻咽喉科と感染症
IV.感染症の諸問題
免疫不全と抗生物質療法
堀 誠
1
Makoto Hori
1
1国立小児病院
pp.811-818
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209153
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I.はじめに
感染症の治療にはHost-Parasite-Drug Relationshipの相互関係が重要であり,この一連の過程のなかで,寄生体側の攻撃力の増強または薬剤の影響を含め,宿主側の防衛能の低下をもたらす要因は極力避けなければならない。
微生物の生体内への侵襲に対し,生体は非特異的・特異的感染防御能を駆使して,その体内への侵入・増殖を阻止しているが,いわゆる免疫不全状態にあるものでは,微生物が体内へ侵入してからの特異的感染防御能の欠陥が目立っている。広義の意味での特異的感染防御能に関与する機構は,①抗体産生能,②細胞性免疫能,③食細胞機能,④補体機能,に大別される。
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