特集 耳鼻咽喉科と感染症
IV.感染症の諸問題
日和見感染症—非病原細菌による
螺良 英郎
1
,
滝下 佳寛
1
Eiro Tsubura
1
,
Yoshihiro Takishita
1
1徳島大学医学部第3内科
pp.819-823
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209154
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I.はじめに
感染症領域での大きな変貌はかつての病原菌を主とした伝染病から,非病原菌をも含めた一般感染症に移りつつあることである。病原性の高い原因菌による感染では,宿主の感染抵抗性を無視して感染病巣が成立し,発症するのに対して,非病原性菌による感染にあっては宿主の抵抗力に依存する傾向が大である(host-dependent infection)。その代表が日和見感染opportunistic infectionという感染形態である。この日和見感染にあっての問題点は,感染の病因となる微生物(parasite)側の要因よりも,宿主(host)側の要囚に注目すべきであって,臨床上もこれらの点で解析をし,かつ対策を考える必要がある1〜5)。
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