海外レポート
社会主義国の耳鼻科を訪ねて(4)—ユーゴスラビア(2)
野村 公寿
1
1東海大学医学部耳鼻咽喉科
pp.375-379
発行日 1980年5月20日
Published Date 1980/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209081
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紺碧のアドリア海岸
アドリア海のユーゴスラビア側は,単調なイタリア側に比べて,海・山の風光に恵まれ,ローマ時代の遺跡も多く,素晴しい町や風景が続いている。ユーゴスラビアは,以前オリエント急行で旅したり,ポストイナの大鐘乳洞へ行ったことがあるが,今回は唯一の息抜きとして,過去2回,願って果たせなかったアドリア海の沿岸を訪れることにした。
まず,北の方のザダールを訪れた。ここは3世紀ごろまでの遺跡が多く残っており,いたるところ史蹟という感じである。海に三方を囲まれた美しい港町で,古くて狭いが,清潔で,道路の石畳も独特の光沢に輝いている。病院が町の入口に近い松林の中に建っていて,大変環境が良い。また,町中の小さな広場に面して赤十字のマークのあるドアを見つけたが,地区の診療所と思われた。
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