特集 世界の看護教育制度
チェコスロバキア社会主義共和国
大梶 優子
1
1カレル大学児童医学部(精神医学部門)大学院
pp.675-681
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906822
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Ⅰ・はじめに
人間関係発展活動を基盤としての看護理論と技法について,お茶の水女子大学の松村康平教授と看護心理研究会から学び,次のような活動への参加を通じて,その実際にであう機会を得ている.その1つは,保健看護専門家とのチームによる‘家庭看護’および看護学校での‘臨床心理学一児童臨床学’を媒介にした教育活動である.もう1つは,精神病院の心理療法を行うことで,医療看護活動の一端を担ったことである.このような状況での筆者の看護への関心は,主として日常生活における看護活動,医療チームの一員としての看護者の役割,看護場面での行為の技術化に向けられた.そして看護活動とその教育制度全体を概観する機会を得た現在も,それらが特色や課題を明らかにするよりどころとなっている.
チェコスロバキア社会主義共和国(以下,チェコと略す)での看護の実際に接するのは,通常病院での臨床活動においてである.首都プラハの中心から約1時間,市電とバスを乗り次いで西へ向かった丘の中腹に,その児童医学部付属病院がある.13階建の新しい建物で,現在も2翼部を建設中である.学部の研究室・講義室の一部を含み,更に地域住民のための保健所を兼ねている(一般には‘児童病院’と呼ばれる).この4階の1翼部が精神科部門である.一般病院小児科・児童保健所から,特別の診断・治療方針を必要として送られてきた子供たち(20-25名)が入院している.
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