カラーグラフ 目でみる耳鼻咽喉科
喉頭の免疫グロブリン
茂木 五郎
1
,
渡辺 徳武
1
1山口大学耳鼻咽喉科
pp.1048-1049
発行日 1978年12月20日
Published Date 1978/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208833
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喉頭のおもな機能は呼吸,発声,下気道の保護であるが,粘膜・分泌液による生体防禦機能も伺える。
喉頭室分泌液を濾紙吸着法によつてラリンゴマイクロ手術を受けた患者20名から採取した(第1図)。喉頭分泌液の電気泳動パターン(第2図)や,各免疫グロブリン,分泌因子(SC)およびラクトフェリン(Lf)濃度は他の気道分泌液のそれとほぼ等しい。IgA産生細胞は喉頭粘膜でもつとも多く認められ,おもに分泌腺周囲(第3図)や上皮下(第4図)にあり,SC affinity test(本誌50巻8号参照)から,これらの多くが10S IgA産生細胞であることがわかる。部位的には喉頭室,気管に近い声門下にもつとも多く,ついで仮声帯 披裂部,喉頭蓋で,声帯では僅かである。第5図は分泌腺におけるIgAの分泌を示す。第6図は分泌腺におけるSCで,A図は細胞胞体に,B図では細胞間ないし細胞膜にあるのを示す。IgGおよびIgM産生細胞は少ないが,おもに喉頭室や声門下粘膜にみられる(第7図)。第8図は分泌腺におけるLfはPAS-AB陽性の細胞には認められない。
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