特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
蛋白
免疫グロブリン
北村 聖
1
1東京大学医学教育国際協力研究センター
pp.133-134
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104714
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
免疫グロブリンの異常はいくつかの検査で示唆される.まず,総蛋白とアルブミン値からグロブリンの値が想定される.あるいはA/G比の異常によって免疫グロブリンの異常が察知されることもある.より感度が高く免疫グロブリンの異常が検知されるのが電気泳動で測定される蛋白分画である.単に分画のみならず,泳動パターンで免疫グロブリンの増加が多クローンか単クローンかが判定されることも多い.これらの検査はいずれも他稿で述べられているので参照されたい.本稿では,免疫グロブリンの直接的な手医療について述べるが,重要なことは定量検査はスクリーニング検査ではないことであり,A/G比や蛋白分画で異常を認めた後に行う検査であることである.
免疫グロブリンはIgG,IgM, IgA, IgD, IgEの5種類があるが,IgDとIgEは血清中には微量しか存在しないため測定しない.
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