創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
特殊用剤の使用法
胃腸薬
名尾 良憲
1,2
1三楽病院
2長汐病院・米寿診療所
pp.917-918
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208801
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消化酵素剤
消化酵素には澱粉消化,蛋白消化,脂肪消化の各作用を示すものがあり,そのほか線維消化を行なうものもある。生体において,消化酵素の欠乏がみられる場合,単一な酵素の分泌低下をおこすことは稀である。そこで一般に総合消化酵素剤が使用される。総合消化酵素剤には多くの種類があり,その内容,剤型については,いろいろと工夫してある。多くの総合消化酵素剤では,胃溶性部分に耐酸性消化酵素を含有し,腸溶性部分にパンクレアチンなどの膵消化酵素を配合し,胃内および腸内で,それぞれの活性pHで消化作用を発揮しうるようにしてある。
総合消化酵素剤の適応としては,生体における消化酵素の分泌低下を補充することにある。それゆえ膵疾患が最大の適応といえる。また小腸疾患による消化障害,胃切除後の消化障害が適応となる。そのほか不消化物を大量に摂取した場合の消化障害の相対的不足を補う意味で総合消化酵素剤が用いられる。
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