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特集 耳鼻咽喉科領域の皮膚・粘膜疾患
4.口唇ヘルペス
4.Herpes Labialis
藤枝 重治
1
Shigeharu Fujieda
1
1福井医科大学耳鼻咽喉科学講座
pp.539-545
発行日 2003年7月20日
Published Date 2003/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100935
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I.はじめに
ヘルペス(疱疹)は,皮膚科用語において小水疱が集まった急性炎症疾患を意味する。口唇ヘルペスは,その名のごとく口唇の皮膚粘膜移行部を中心に形成された水疱の集団であり,単純ヘルペスウイルスの感染によって起こる。単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)は,1型(HSV-1)と2型(HSV-2)に分類され,一般に口唇ヘルペス(herpes labialis)を起こすのはHSV-1であるとされている。一方,性器ヘルペス(genital herpes)を起こすのはHSV-2とされている。しかし,HSV-2で起こる口唇ヘルペスや逆にHSV-1で引き起こされる性器ヘルペスも報告されている。
皮膚粘膜の単純ヘルペスウイルス感染症の発症部位の臨床統計を示す(表1)。口唇(27.8%),性器(24.8%)が多く,続いて顔面,皮膚と続く。
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