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特集 診療ガイドラインのエッセンスとその活用法
急性中耳炎
Acute otitis media
喜多村 健
1
Ken Kitamura
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科学
pp.439-445
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102215
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Ⅰ はじめに
急性中耳炎の診療ガイドラインに関しては,日本耳科学会,日本耳鼻咽喉科感染症研究会,日本小児耳鼻咽喉科学会の3団体で構成される小児急性中耳炎診療ガイドライン作成委員会により,小児急性中耳炎(15歳未満)を対象に,2006年版に次いで改訂版の2009年版が発刊された1)。この診療ガイドラインでは,小児急性中耳炎の診断・検査法が示され,わが国の急性中耳炎症例の起炎菌と薬剤感受性を考慮して,エビデンスに基づきガイドライン作成委員のコンセンサスが得られた治療法が推奨された。ガイドライン作成に当たっては,わが国における小児急性中耳炎症例の最新の検出菌と抗菌活性を検討し,急性中耳炎の診断,検査法,治療についてclinical questionを作成し,2000~2008年に発表された文献を検索した。本ガイドラインでは,正確な鼓膜所見の評価が,重症度の判断ならびに治療法の選択に重要であり,鼓膜所見と臨床症状から急性中耳炎を軽症,中等症,重症に分類して,重症度に応じて推奨される治療法が提示された。
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