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スエーデンにおける医学卒後教育
綿貫 幸三
1
1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.559-561
発行日 1978年7月20日
Published Date 1978/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208683
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総人口わずか820万たらず(8,175,000:1975年)の国で,医療の面でも福祉国家として有名なスエーデンの医学卒後教育について,ウプサラ大学半年の滞在中に資料を集めるとともに,体験をもとに具体的に要約してみた。
医学部教育5年半の後,2年間のインターン制度(GENERAL SERVICE PERIOD)がある。内容はまず6カ月間が外科であり,その中に1〜2カ月の麻酔科およびICU,2カ月の外科系のローテーションが含まれる。次の6カ月間は内科であり,その中に2カ月の小児科,神経科,胸部内科,伝染病棟のローテーションが含まれる。次に3カ月間を精神科ですごし,最後の6カ月は一般外来センターでの実習であるが,その中,3カ月は選択として眼科,耳鼻科,皮膚科などに回われる。残りの期間は夏休みなどである。内科,外科と並んで精神科があるのは,スエーデンでは老人が増加し,神経質な訴えで病院を訪れる老人が多いためとされている。内科,外科,精神科は各々修了時に,全国一斉,一律に筆記試験が行なわれる。不合格者には第二次試験があり,ほとんど合格しているので問題はおきていない。インターン生にはどの病院を選択しようと,その所属地方政府から全国一律の給与が支給される。
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