見聞記
アメリカのレジデント(3)—スエーデンとの比較
岡田 清己
1,2
1Department of Urology New York Medical College
2Flower and Fifth Ave.Hospitals
pp.1151-1153
発行日 1970年12月20日
Published Date 1970/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201060
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すでに前2回でアメリカのレジデント制度の長所短所,およびレジデントの生活程度について述べてみた。ここではもう一度アメリカのレジデントをスエーデンのそれと比較しつつ書いてみたい。昨年,1969年6月国際腎臓学会がスエーデン・ストックホルムにおいて行なわれ,たまたまこの学会に参加する機会を得た。学会終了時にカロリンスカ・インスティテュートを訪れてみた。ここはスエーデンのみならず全世界にその名を知られた研究所であり,ヨーロッパ,アメリカ,日本からも少数ではあるが留学生を送り込んでいる。またこの研究所から巣立つていつた多くの研究者はアメリカで多方面に活躍していることは周知のことと思う。実は,カロリンスカ・インスティテュートは基礎医学が主であつて,付属病院の方は期待できるものもないであろうが,せつかくストックホルムに来たのだからちよつと立寄つてみたのである。ところが大きさだけでいけば今まで見た日本,アメリカのどの病院よりも大きく,東大病院の2倍にはなると思つた。泌尿器科主任のDr.Garrelesは留守で若い医者に紹介された。彼の案内で外来,手術室,病院を見学し,彼の病室回診についてまわつた。彼の回診には病棟主任の看護婦および2,3人の若い看護婦がつき,患者の状態を報告してもらい,その場でオーダーもする。包帯交換,膀胱洗滌の必要があればその場で行なつていた。
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