Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
われわれは前報において20)21),聴性脳幹反応における大きい頭頂部陽性変動(以下この)陽性変動をBSRと称する)は,従来の見解と異なり,500Hz tone pip音刺激に対しても明瞭に認められることを述べ,さらにこの反応はMendelら11)の記載した,いわゆる中間反応(以下MLRと称する)のPoに相当するものと考えた。このことからわれわれは,BSRおよびMLRを別々に記録するのではなく,潜時50ms内の一連の反応として同時に記録した方が,より多くの情報が得られ,臨床応用上有用であることを提唱した21)。しかしこれらの成績は,すべて成人を対象としたものであり,実際に他覚的検査の必要な幼児については検討されていない。本報では,潜時50ms内の一連の反応を,幼児の他覚的聴力検査に応用することを目的として,1)tone pip刺激で幼児のPo(BSR),Na,Pa成分がどのように検出されるか,2)特に500Hzの低周波数音に対してはどうか,3)成人と幼児では反応の波形や潜時に,どのようなちがいがあるか,などについて検討した。
The vertex positive middle latency responses to tone pips at 500, 1000 and 2000 Hz were recorded on 21 infant subjects.
The Po (BSR)-peak indicated the highest detectability in these responses. Mean peak latency of the Po (BSR)-response as an inverse function of test frequency was proved to be linear, and this could he resolved into regression equations.
Na-response was composed of two components (Nal, Na2). Nal was dominant to Na2, which was inverse in adults.
For clinical use, Po (BSR) and Na responses were significant in infants.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.