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頭蓋骨・顔面骨における良性の骨性および線維—骨性病変
入 久巳
1
,
犬山 征夫
2
1慶応義塾大学医学部中央臨床検査部
2慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.179-196
発行日 1978年3月20日
Published Date 1978/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208625
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はじめに
新生物の主たる性格が骨組織の形成にあり,良性として一般に取扱われているものに骨腫(Osteoma),類骨性骨腫(osteoid osteoma),骨芽細胞腫(osteoblastoma)などがある。一方必ずしも腫瘍とはいい難いが,骨としての臓器特異性を考慮して骨形成を伴い腫瘍性状態を呈する骨形成性線維腫(ossifying fibroma),線維性骨異形成(fibrous dysplasia)なども含めて,良性の線維―骨性病変として取扱うのが臨床的,病理組織学的にも実際的と思われる。これらの病変は主として整形外科領域で扱う体肢や体幹の骨においても,耳鼻科領域で扱う頭蓋骨や顔面骨においても基本的には相異はないが,長管骨と頭蓋骨および顔面骨とでは発生学的進化の度合の相異や,化骨形式の相異などがある。このことは骨折治癒や腫瘍においても若干の表現形式の相異を呈する。また顎骨では常に歯原発を鑑別しなければならない。このような点も考慮して頭蓋骨および顔面骨を中心にして上記病変についてのべる。
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