鏡下咡語
評価のありかた—一期生を送り出して
戸川 清
1
1秋田大学
pp.686-687
発行日 1976年9月20日
Published Date 1976/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208400
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この春私どもの学部第一期生が学成り,めでたく卒業して関係者一同その喜びを共にしたが,残念ながら若干名がこの喜びを共にできなかつた。試験の成績が合格水準に到達せずと判定されたからであるが,この席上問題になつた1つは,この成績が学生の能力の正当な評価であるか否かということであつた。必ずしも正当でないとはどなたも考えられるであろう。本学では合格ラインすれすれで卒業し,国家試験合格を危ぶまれた諸君はほとんど合格し,彼らより成績の良かつた者が不合格になつたことでも判る。ここに評価のむずかしさがある。
もちろん完全な評価法はない。しかしより良い,信頼性の高い方法が要求されている。この事は医師国家試験のような資格検定により強く望まれるところである。
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