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I.はじめに
危険性側頭骨という表現に示されるように,中頭蓋窩底およびS状洞と外耳道および中耳腔との位置関係は,乳突洞削開の際に注目されるところである。中頭蓋窩底の下降(Mittelschädelgrubetiefstellung)およびS状洞の前進(Sinusvorlagcrung)を術前に予測するためにもつとも確実な方法は,側位方向撮影による側頭骨断層写真を調べることであろう。しかし,後述のごとく,普通X線写真を有効に利用することによつても十分な情報を得ることができる。
側頭骨のX線撮影法としてStenvers法と側位撮影法(Sonnenkarb法,Schüller法,modified Schüller法)が一般に用いられている。これらによるX線解剖はよく知られており,種々の成書に記載されている1)〜5)。しかし,臨床上使用する生体のX線写真像と側頭骨上で基準となる部位との対応はかならずしも明確ではない。
われわれは中頭蓋窩底の下降とS状洞の前進を普通X線写真から定量的に求めることを目的として検討を行なつた。すなわち,中頭蓋窩底と外耳道を中心に鉛のマークを行ないX線解剖を再検討し,計測すべき点を求め,臨床上撮影したX線写真で計測を行なつた。その結果をご参考に供しご批判を仰ぎたい。
The ralation of the lateral sinus to the external auditory canal and that of the tegmen to the external auditory canal, are, both, studied under conventional radiography.
The distance between the suprameatal spine and the tegmen was measured as 300 roentgenograms by Stenver's view; while that of the posterior tympanic spine to the lateral sinus was measured by modified Shüller's view.
It is our impression that our method of measurement is capable of evaluating these relationships more accurately than otherwise.
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