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I.はじめに
耳介奇形の種類とその程度は多種多様であるが,軽度耳介奇形とよばれるものは組織の過不足が高度でなく,だいたい正常耳介に近いディメンションを備えているが,しかもなお形態的に明らかな変形を呈するものである。
臨床的には変形のもつとも特徴的な所見によつて,立ち耳,袋耳,折れ耳,コップ状耳などの診断名がつけられるが,実際には数種類の変形が種種の程度に合併して,複雑,かつ個性的な形状を示すことが多い。
したがつて,個々の症例については,それに適合するように改変された幾つかの手術手技を組み合わせたものが用いられる。
軟骨弁翻転法はこのような形成手術の際の一つの補助的手技として,上記奇形に伴う耳介軟骨の部分的な凹凸,屈曲の異常による変形に対し,その部の軟骨を弁状に切除し翻転して縫合を行ない,手術効果を向上させようとするものである。
In cases of minor deformities of the auricle such as, pocket ear, folded ear and cupped ear, minor irregularities of the aural cartilages are amenable to correction by simple surgery. The deformed cartilages are exposed and incised to form a graft. This graft is turned to reverse its surface and replaced in the same place where it was removed from originally, the incision wound is closed.
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