特集 気道アレルギー
アレルギー治療上の要点—内科領域における治療
石崎 達
1
1国立予防衛生研究所寄生虫部
pp.807-815
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207980
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Ⅰ.まえがき
アレルギー現象の根本は抗原・抗体結合反応である。気道アレルギーに限定しても,上気道,咽頭,気管支,肺の粘膜において抗原抗体結合反応が起こつた場合,その部位と抗原の種類により症状が違つてくるのでアレルギー性鼻炎,アトピー性喘息,感染型喘息などと区別されている。これらは従来,組織内のマスト細胞表面に付着したレアギン(IgE抗体)と抗原の結合反応の結果,マスト細胞内の顆粒から遊離されたchemical mediator(ヒスタミン・セロトニン・SRS-Aなど)の薬理作用によつて短い時間(数分以内)にひき起こされた即時反応であると考えられている1)2)。
ところがその後Coombsら3)が分類しているようにアルサス型反応(抗体は体液中にあり,抗原抗体結合物は補体の助けにより細胞溶解反応を起こす),遅延型反応(ツベルクリン反応のように抗体は細胞内にあり,組織に集つてきて抗原抗体結合を起こし,それが引金となつて炎症反応を起こす)もアレルギー反応として気道アレルギーに関与していることが現在わかつてきた。
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