特集 気道アレルギー
真菌アレルギー
和田 輝彦
1
1日本鋼管病院耳鼻咽喉科
pp.769-777
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207975
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I.はじめに
真菌は,感染症のみならずアレルギー性疾患においても重要な役割を演じている事が,近年次第に明瞭となりつつある。
真菌はわれわれをとりまく環境のいたる所に存在している。自然界では樹枝状構造を呈する植物型を示し,人体内では主として分枝せずに,単一細胞性の酵母様型をとり,時に仮性菌糸型をとる(第1表)。
真菌はその形が小さく重量も軽いので,風によつて広範囲に飛散分布していく。それにもかかわらず細菌やVirusとは異なり化学療法,免疫療法などの,現在の医学的方法ではわれわれの環境から真菌をとり除く事が大変に困難である。したがつて,われわれは真菌感染症の他に,さらに真菌アレルギーについてもより一層,注目する必要があるものと思われる。
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