特集 気道アレルギー
各地域における鼻アレルギーの特色—花粉症を中心に
形浦 昭克
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.757-768
発行日 1973年10月20日
Published Date 1973/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207974
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I.はじめに
近年,公害やストレスに起因して鼻アレルギーの増加は著しく目立つてきたと言える。その土地の気候風土や植物分布などと密接な関係にある花粉症もわが国において,1961年荒木1)がブタクサ花粉症を発表して以来,相ついで数多くの花粉症の報告がみられるのはご承知のところである。なかでも臨床アレルギーに関する研究は,免疫学の発展に伴い最近長足の進歩をとげアトピー性疾患と言われるこれら鼻アレルギーは,アトピー素因と言われる体質的要素とアレルゲンと言われる外来抗原,ことに吸入性因子とによる独特の存在を示し実際的に臨床に占める位置は大きいと考えられる。この地方病的性格を示す花粉症の存在を中心に地域的鼻アレルギーの特色ならびにその診断について言及したい。
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