Japanese
English
特集 女性と耳鼻咽喉科疾患
3.鼻アレルギー・花粉症
3.Nasal allegy and pollinosis
大塚 博邦
1
Hirokuni Otsuka
1
1大塚耳鼻咽喉科医院
pp.299-305
発行日 2008年4月20日
Published Date 2008/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101231
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Ⅰ.はじめに
女性と鼻アレルギー・花粉症とのかかわりについてのトピックといえば,花粉症患者は20~30歳の女性に多いこと,鼻アレルギーまたは花粉症状が妊娠により悪化すること,そして妊婦に対する治療の際,胎児への影響について注意を払うことが挙げられる。このなかで妊娠時の悪化は今までうっ血によるものと説明されてきたが,最近の研究から妊娠により増加する女性ホルモンは鼻粘膜内のリセプターに対する直接的関与や,アレルギー担当細胞に対して活性化することが明らかになり,うっ血だけで説明できるものではないことが明らかとなってきた。
文献を検索していくと,花粉症患者の20~30歳の女性に多い謎もこの性ホルモンによるものと推測された。
女性ホルモンの鼻粘膜の機能,免疫応答に及ぼす影響が大であることが次々と報告されていることから,われわれ耳鼻咽喉科医を標榜するものにとって,今後,思春期,妊娠,産後,更年期といったホルモンの変化によって鼻粘膜も影響を受けることを念頭に入れる必要があるとの印象をもった。ここでこれら詳細について文献を紹介しながら述べる(図1)。
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