特集 小児耳鼻咽喉科疾患
小児の扁桃摘出に関する諸問題
猪 初男
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.763-767
発行日 1972年10月20日
Published Date 1972/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207838
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I.はじめに
成書によれば小児の扁桃摘出の適応として次の項目があげられている。
1)習慣性アンギーナ
2)慢性扁桃炎
3)病巣感染の原病巣となつている場合
4)中耳,副鼻腔,頚部リンパ節の炎症の原因となつている場合
5)高度の扁桃肥大で,呼吸,構音,摂食などに悪影響がある場合
6)虚弱体質で,かぜをひきやすい場合
7)ジフテリア菌保菌者
このうち扁摘の適応の第1にあげられるものはやはり習慣性アンギーナと考えられるが,ではなぜ習慣性アンギーナの場合扁摘が必要なのか,まずこの点から考察をすすめてみたい。また慢性扁桃炎の場合果して扁摘が必要か否か,それを決定するためにはどのような症状や検査所見を重く見るべきか。病巣感染の原病巣focusとなつている扁桃の活動性はどのようにして判定するか,またこの場合の扁摘効果はどうかなどについて紙数の許す範囲で記述をすすめたい。
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