手術を考えるとき
小児の扁桃摘出をめぐって
平山 恒夫
1
1日医大・小児科
pp.1204-1205
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204907
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扁桃は咽頭粘膜内に発達したリンパ細胞から成立つ濾胞の集合体であるが,独立した単一のものではない.口蓋扁桃,咽頭扁桃,耳管扁桃,舌根扁桃などがあってWaldeyer氏咽頭輪を形成している,ここでいう扁桃とは,臨床上最も重要である口蓋扁桃をさすが,小児ではこれとともに咽頭扁桃すなわちアデノイドが問題となる.
小児における扁摘の適否については,古くから意見が分かれていたが,扁桃には生理的機能として,免疫機能ないしは防御機能があるとみなす考え方が次第に支配的となり,さらに最近扁桃は発生学的に,トリのBursaFabricusに相当するヒト中枢性免疫臓器に属する可能性が指摘され1),その摘出の適応の決定には非常に慎重な態度をとるようになった.
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