薬剤
炎症性鼻疾患に対するE-221-005の二重盲検法による薬効検定
馬場 駿吉
1
,
大橋 道三
1
,
斧田 大公望
2
1名古屋市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2立教大学社会学部
pp.153-157
発行日 1972年2月20日
Published Date 1972/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207753
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I.はじめに
炎症性鼻疾患の愁訴としてもつとも好発するのは下鼻甲介,中鼻甲介などの充血や浮腫による腫脹に起因する鼻閉塞であり,これに鼻漏,くしゃみ,頭痛,嗅覚障害などが加わることが多い。炎症性鼻疾患に対する治療ももちろん,それぞれの疾患における原因的療法を行なうべきであるが,鼻閉塞などの主要症状をすみやかに除く対症療法を併用することも患者を疾病の苦痛から解放する上で大切なことである。この意味で従来から種々の血管収縮剤を基にした点鼻薬が使用されてきたわけである。
今回,エーザイ株式会社より提供を受けたE-221-005は鼻閉塞を改善せしめるとともに消炎的な薬効をも期待し得るように血管収縮剤に消炎酵素剤を配合した点鼻薬であり,われわれは,二,三の炎症性鼻疾患に対する本剤の薬効を二重盲検法により検定する機会を得たので,ここにその概要を報告する。
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