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I.はじめに
全身麻酔法の発達や光学機械の助けによる各種のMicro-surgeryの発展は,近年喉頭手術の分野にもおよび,いわゆるLaryngo-micro-surgeryとして次第にひろまりつつある。外国では,Kleinsasser氏9)11),日本での斎藤氏14)15)(慶応大)の努力によるその貢献は大きい。私たちの臨床外来でも,比較的音声障害患者をあつかう機会が多いのであるが,声を職業とする患者のそれに接して,その原因除去のため手術をすすめるさい,これまでは大きなためらいがあつた。いうまでもないことであるが,間接喉頭鏡下に,最小限の手術的操作を加えて完治せしめることがきわめて困難であること,さりとてMicro-surgeryの器具をそろえることも一般病院では仲々容易なことではない。結局これまで,手術を必要とするものはほとんど,それぞれの専門家に紹介してきたが,私たちも音声学の分野を探求する立場から,独自に,これらの手術の問題を解決すべき努力を始める必要にせまられていた。名人芸のいらない手術法,それを解決する第一の方法は,直視下に行なう手術である。しかしいわゆる,Laryngo-micro-surgeryの器具一式をそろえることは,さきにも述べた様に,一般病院では容易ではない。そこで,新しく器具をそろえたり作るかわりに,各科の手術器具の中で利用できるものはできるだけ利用し,それなりの効果を上げられる手術方法が求められた。さいわい麻酔医の協力も得られたので,いわゆるLaryngo-micro-surgeryと従来の間接喉頭鏡下の手術との中間タイプの手術法として最初は始めた。あくまで便宜的なつもりで始めたこの手術も,それなりの欠点もあるかわり,少ない数ではあるが,症例をかさねる内に,かなりのものまで手がけることができ,それなりに1つの方法として施行しうるものになつてきたと確信しうるに至つたので,皆様のこ追試とご批判をあおぎたいと考え報告する次第である。
The authors describe a new surgical technic of laryngomicrosurgery. The general anaesthesia is administered by nasal intratracheal intubation with the use of 3% flutohane.
The instrument were assembled with make-shift use of those of other surgical departments such as, operating loupe, Machintoshe's larnygoscope, Kelly's peans, Frankel's laryngeal knives straightened and scissors borrowed from the Orthopedic Department used of resection of sympatheic nerves.
The authors report 50 cases of operations preformed under this new technic consisting of laryngeal web, polyps, singer's nodule, papilloma, haemoangioma, cysts and cancers.
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