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I.はじめに
近年,電気的眼振記録法(ENG)の平衡機能検査法に占める役割は,ますます増大する傾向にある。
ENGは,現在臨床的にもつとも多く用いられている眼振記録法であるが,臨床研究に使用され始めたのは僅か10数年前に過ぎない。この短期間に,ENGはその幾多の利点により,加速度的普及をみた。
かかる時点において,"ENG標準化"の問題が学会1)で(日本平衡神経科学会第26回総会)とりあげられたことは,時宜を得たものといえる。われわれはこの学会において,ENGの適応について報告したので,その概略をここに記す。
眼振検査は,めまい・平衡障害の診断上重要であり,昔も今も平衡機能検査の主流をなしていることに変りはない。しかし,一般にENGは新味のある検査で,あたかも絶対的な臨床的価値をもつているかの如く思われがちであるが,実際は眼振検査を合理化するための一手段に過ぎないことを銘記すべきである。ENGに振り回わされて,逆に眼振検査の本質を見失つてしまつては,折角の苦労も水泡に帰すであろう2)。どの様な時に,どの様にしてENGを利用すべきであろうか?
この問題を解決するため,眼振および記録装置の2点からENGの適応を検討した。
In recent years, use of electronystagmography (ENG) has been rapidly becoming popular. But it doesn't seen to have been used adequately in all of the cases.
It is, now, severely needed to know well enough the merits, demerits and limits of its use.
When and how must ENG be used ?
These questions have been studied from the standpoint of the kinds of nystagmus and the kinds of recorders.
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