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Otolaryngology Volume 42, Issue 4 （April 1970）

耳鼻咽喉科 42巻4号（1970年4月発行）

Japanese English

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Melkersson-Rosenthal症候群と思われた一症例 MELKERSSON-ROSENTHAL SYNDROME: A CASE REPORT 飯沼寿孝 ^1,2 , 清水夏絵 ¹ , 佐藤恒正 ¹ Toshitaka Iinuma ^1,2 ¹東京警察病院耳鼻咽喉科 ²現在，東大病院耳鼻咽喉科 pp.303-306

発行日 1970年4月20日 Published Date 1970/4/20

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207450

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Abstract 文献概要
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　I．はじめに

　Melkersson-Rosenthal症候群は顔面神経麻痺，顔面または口唇の腫脹，溝状舌を主徴とするものである。顔面神経麻痺は反覆性であり，顔面または口唇の腫脹は反覆性ののちに固定性となる。溝状舌は必ずしも併発しない。顔面または口唇の腫脹に関しては成書により記載がことなり，耳鼻咽喉科領域では浮腫とされることが多いが，皮膚科領域では肉芽性口唇炎（Cheilitis granulomatosa）ないしはザルコイドーシスとの関連が重視されている。また，この症候群と特発性末梢性顔面神経麻痺および肉芽腫様変化などとの関連についてはなお検討の余地が多いものと思われる。今回の症例は以下にのべるようにMelkersson-Rosenthal症候群の一型ないしは不全型とみなしうると考えられたものである。

　A Case of Melkersson-Rosenthal syndrome is reported. The patient a man, aged 43, was found to be suffering from recurrent attacks of facial palsy accompanied by infra-auricular pain with swelling of the cheek and the upper lip.