Japanese
English
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頬部腫脹を初発症状とした白血病症例—下鼻甲介の血管芽細胞腫
LEUKEMIA WITH THE SWELLING OF THE CHEEK AS THE INITIAL SYMPTOM
荒井 潤
1
,
北村 箴至
1
,
堀口 信夫
1
,
今給黎守 慶
1
Jun Arai
1
1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.37-41
発行日 1970年1月20日
Published Date 1970/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207407
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I.はじめに
白血病は1845年Craijie, Bennett, Virchowらによつて,ほとんど時を同じくして記載,報告された疾患で,今日では,白血病の本態についてはつぎのように考えられている。すなわち,白血病は系統的な白血球造成細胞の無制限増殖であつて,胎生後の造血臓器だけでなく,胎生期の造血臓器,さらに遡つて間葉細胞から発生した他の組織内にまでも白血球生成組織の異常増殖をきたし,そのために種々の障害をきたすものである。
白血病は血液中で白血球の発生に主役を演ずる組織によつて骨髄性白血病,リンパ性白血病または単球性白血病などに区別される。
白血病経過中に白血病性細胞浸潤のほかに,他の腫瘍に認められるような,組織塊ないし組織結節の形成を示す白血病,いわゆる腫瘤形成性白血病は耳鼻咽喉科領域では比較的稀な疾患である。
最近私たちは,左頬部腫脹を主訴として来院した1歳11カ月の女児で,単球性白血病の症例を経験したので報告する。
A case of leukemia with a swelling of the cheek is reported. The patient was an infant girl aged, 1 year and 11 months.
The relation between leukemia and the swelling of cheek failed to be established.
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