特集 オフィスサージャリー・ショートステイサージャリー
9.下鼻甲介手術
岡野 光博
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
pp.69-78
発行日 2008年4月30日
Published Date 2008/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101248
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ⅰ はじめに
下鼻甲介手術の適応疾患としては,下鼻甲介の非可逆性の肥厚により鼻閉を生じる疾患,すなわちアレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎などが対象となる。下鼻甲介手術は大きく,①鼻粘膜を変性させることにより鼻粘膜の縮小と変調を目的とした手術と,②下鼻甲介組織の部分的な切除による鼻腔整復術に分けることができる。それぞれに長期的な有効性を向上させ,かつ出血や疼痛などの負担を軽減せしめる低侵襲な術式やデバイスが考案されており,下鼻甲介手術は原則的にオフィスサージャリー・ショートステイサージャリーが可能である。さらに下鼻甲介内を走行する後鼻神経末しょう枝も同定できるようになり,本神経を切断・焼灼などにて処理することにより,下鼻甲介手術は鼻漏や鼻過敏性の改善も期待できるようになった。本稿では代表的な下甲介手術の適応や安全性,成績などについて概説する。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.