薬剤
耳鼻咽喉科領域におけるRinderon A液および軟膏の局所使用経験
法水 正文
1
,
坊野 馨二
1
1東京逓信病院耳鼻咽喉科
pp.911-917
発行日 1969年11月20日
Published Date 1969/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207387
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Ⅰ.はしがき
耳鼻咽喉科領域における薬剤の投与法には他科にはみられない特殊な局所投与法すなわち塗布,注入,噴霧,吸入,局所注射,口中錠型,点鼻,点耳,耳浴法なとの各種類がある。一般に薬剤療法は局所療法に加うるに全身療法を併用するのがよく,これにより初めてよい治療成績を得ることができる。局所療法における投与法については薬剤組成の改良と相俟つて前記各種投与法を工夫することにより,今後なお使用成績を改善し得るものと思われる。
薬剤組成の改良については今まで単剤であつたものを複合成分としあるいは溶剤や基剤の改良により,さらに薬効を向上せしめているものが少なくない。ステロイド剤の局所投与は耳鼻科領域でも早くから行なわれ全身投与法の場合のような副作用がほとんどなく,かつ興味ある効果を得られることが多いので今日広く行なわれている。方法としては噴霧療法(Nebulizer),点耳点鼻法が行なわれ本剤本来の効果としての急性炎症の消褪などの目的の他にさらに特効作用のある湿疹やアレルギー性疾患に対しよく用いられる。近年はステロイド剤の他に抗生物質を配合した局所投与剤が作られるに到り配剤の相乗作用により効果はさらに向上する成績を得つつある。
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