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I.はじめに
われわれは昭和41年1月からA,B,C,三つのグループで分担して腫瘍外来なるものを作つている。本外来の最大の特長は1人の患者を耳鼻科医と放射線科医とが同時に診て両者の合議の上で治療方針を決定し,その後のfollow upも両者が一緒に行なうという点である。
分担としては A)上顎,鼻腔,上咽頭,B)舌,口腔底,下顎,頬部,口蓋,中咽頭,C)喉頭,下咽頭,耳下腺である。人員構成は各グループの責任者1名は耳鼻科,放射線科とも固定で,他に各グループに1〜2名宛が担当医として参加している。毎週木曜日の午後に一斉に行なつているが,一般外来の新患として受診した腫瘍患者は原則として次回の腫瘍外来の該当グループに紹介され,そこで登録される。ここで治療方針の決定を行ない,手術の場合は耳鼻科に入院せしめ,放射線治療の場合はガンセンターに入院,または外来に通院せしめ,治療中にも腫瘍外来において観察を続け,退院または放射線照射終了後は個々の症例に応じて必要と思われる間隔(毎週1回〜3カ月に1回)で,できるだけ長年月follow upを行なうことにしている。昭和41年1月以来昭和44年3月までにBグループに登録された患者は第1表の通りで腫瘍の部位別では舌がもつとも多く,口蓋扁桃,口腔底,口蓋の順になつており,悪性腫瘍の合計は148例である。
病理組織学的には口蓋扁桃の細網肉腫は例外として,他はほとんど扁平上皮癌である。今回はその中で舌癌について特に転移を中心にして述べたい。
At our cancer clinic, the out-patients were observed both by the otorhinolaryngologists and the roentgenologists simultaneously. The treatment was decided by their joint discussion. and the course of treatment was followed, Forty cases of lingual cancer followed over one year were classified into three groups according to their condition of metastasis: a) N0 group since the time of the initial examination, b) N0 at the initial examination but metastasis was found after the treatment, and c) the group in which meastasis was found at the initial examination. The course of treatment and the prognosis of these three groups were surveyed.
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