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I.はじめに
めまいはしばしば自発眼振を伴い,平衡障害の患者には眼球の運動障害や自発眼振を認めることが多い3)。
眼球の運動障害というと眼科の問題のように考えられるが,めまいに関連した自発眼振との関係がつねに問題とされ,眼球の運動機能を平衡機能の立場から検査する必要性の多いことなどから,むしろ神経耳科との関連の方が,ときに,より深いようにみえる。今日まで,眼球運動の問題が,とくにわが国における特殊な状態ではあるが,主に耳科専門医によつて取り扱われてきたのには,このような事情があるのであろう。
本発表においては,神経耳科の立場から,私どもの耳鼻咽喉科のめまい平衡障害外来を訪れた患者の統計によつて,実際取扱われる疾患の種類を示したい。それらの患者におこなわれた検査の結果より,また幾つか具体的症例により,眼球の平衡障害がいかにあらわれ,いかに検査され,診断に利用されるかの一端をも示したいと思う。
The authors made a statistical study on the vertigo and dysequilibrium cases which were seen in the vertigo clinic, the University of Tokyo Hospital. According to the authors, the dysfunction of these cases manifested itself flequently in the oculomotor system and was most clearly demonstrated by examining eye movements, Among many examinations, positioning test, optokinetic nystagmus test, and eye-tracking test were most useful especially as a tool for neurological evaluation of the brain stem malfunctions.
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