Japanese
English
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院内感染により多発したと考えられる偽膜性鼻咽頭炎
AN EPIDEMIC-LIKE SPREAD OF NASOPHARYNGITIS WITH FALSE MEMBRANE APPARENTLY ORIGINATING FROM A CASE OF HOSPITALIZED PATIENT
宮島 靖彦
1
,
島田 一郎
1
Yasuhiko Miyajima
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.411-414
発行日 1967年4月20日
Published Date 1967/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203760
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I.緒論
第二次大戦以来,細菌感染症に対する抗生物質が相次いで発見され,感染症の治療に多大の貢献をなしたにもかかわらず,近年各種の抗生物質に耐性を示すブドー球菌による病院内感染が,世界各地で注目されるに至り,感染症の起炎菌の種類の変化,ならびに菌の抗生物質への感受性変化とが認められるようになつて来た。従来耳鼻咽喉科領域における細菌感染症でも,病原性連鎖球菌,肺炎双球菌が主であつたが,最近では,これに代つて,病原性ブドー球菌(以下ブ菌と略す)が証明されることが多くなって来た。鼻,および咽頭にいわゆる偽膜を形成する疾患には,ヂフテリーを初めとして数種の疾患があげられているが私たちは昭和38年長野赤十字病院耳鼻科において,主として慢性副鼻腔炎の手術を行なつた患者に多発したブ菌による偽膜性鼻咽頭炎を経験したのでここに症例をあげ臨床像を報告する。
Twelve cases of nasopharyngeal inflammation accompanied by formation of false membrane seen at the Otolarygological Department of the Nagano Red Cross Hospital are reported.
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