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Otolaryngology Volume 38, Issue 8 （August 1966）

耳鼻咽喉科 38巻8号（1966年8月発行）

Japanese English

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老年者の聴器循環器障害によると思われる難聴に対する血清総コレステロール値の診断的価値 DIAGNOSTIC IMPORTANCE OF TOTAL BLOOD CHOLESTROL DETERMINATION IN THE CARE OF HARD OF HEARING AMONG THE AGED THAT APPEAR TO BE CIRCULATORY DISTURBANCE 本間弥三郎 ¹ Yasaburo Honma ¹ ¹国立横須賀病院耳鼻咽喉科 pp.817-821

発行日 1966年8月20日 Published Date 1966/8/20

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203635

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Abstract 文献概要
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　Ⅰ．緒言

　じゆうらい，血中コレステロール量と聴力との関係，とくに老年難聴との間に関係ありとする説があるが，近年高齢者の聴力と，血中コレステロールの間には，相関関係を認めないという説もあり，未だ判然としていない。

　わたくしは61歳の女子で，蜘蛛膜下出血後，約10ヵ月のちに，過労により突然両耳の難聴耳鳴を生じた症例の診断に，血清総コレステロール値がその一助となり得たように思われたので，血清総コレステロール値と聴力との関係を，当院人間ドック30歳代より50歳代までの，他に耳科的疾患のない者113例について調べ，かつまた当院内科に長期療養中の老年者で，動脈硬化症と診断され，他に耳科的疾患のない者14例の聴力と，血清総コレステロール値について調べ，老年者の動脈硬化症による循環器障害により生じた聴力障害と推定される者に対して，血清総コレステロール値は果して診断の一助となり得るか否かについて検討を試みた。

　A state of high blood cholestrol was suspected in a woman, aged 61, who complianed of sudden onset of bilateral tinnitus with loss of hearing. The amount of the blood pressure was not high. But, the audiogram revealed a marked loss of hearing in both ears. The cause of this loss, was presumably due to arteriosclerosis.