特集 この10年--助産婦・出産・女
コペンハーゲンのお産,パリのお産仄聞記
安達 倭雅子
pp.38-42
発行日 1986年1月25日
Published Date 1986/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206797
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最初にお断わりしておきたい。私は昨年の4月から5月にかけて,コペンハーゲンにもパリにも行くには行ったが,私たち一行の主要目的地はスウェーデンであった。つまり,コペンハーゲンもパリも私たちの短い旅の中のふたつの通過地であり,「コペンハーゲンとパリのお産」について編集部では何か含むところがあったらしく,見聞したことを書くように求めてきたが,もちろんこのふたつの都市で私たちの誰かがお産をしたという話もないので,大いに困ってしまったが,かいま見,聞いたことをお話してみたい。
私たち一行とは,労働法を専らとする弁護士,日本性教育協会の職員,産婦人科医,整形外科医,助産婦とそれから電話相談員の私と女ぼかり6人であったが,実は6人は互いに長年の泥懇の間柄と言うわけでもなかった。強いて言えば,産婦人科医Hをめぐる5人の女が旅は道つれとばかり集まったのだから,年齢にも親交の度合にもそれぞればらつきがあった。
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